100年後も聴き続けてほしいアルバムを完全再現する
一夜限りのプレミアムコンサート待望の第3弾

名作よ、世代も時代も、
超えてゆけ。

武部聡志がプロデュースする一夜限りのコンサート「SONGS&FRIENDS」。
今も愛され続ける数々の音楽の名盤は、まさに「100年後も聴き続けてほしいアルバム」。
その音楽の“遺伝子”を受け継ぐ様々なアーティストたちが、世代も時代もこえて、
それぞれの解釈で名盤を完全再現するプレミアムコンサートです。
待望の第3弾としてフィーチャーするアルバムは、1986年発売 佐野元春の名盤『Café Bohemia』。
ロックスターとして長きにわたり愛され続け、
2020年に活動40周年を迎える佐野元春と、 彼にルーツを持つ様々なアーティストが集います。

Artist

THE HOBO KING BAND
古田たかし(Dr) / 井上富雄(B)/ Dr.kyOn(Key)/ 長田進(G)/
山本拓夫(Sax)/ 西村浩二(Trp)/
佐々木久美(Cho)/ TIGER(Cho)

サウンドプロデュース
Dr.kyOn

演出・プロデュース
松任谷正隆
武部聡志

Comment

SONGS&FRIENDS、第3弾は佐野元春『Café Bohemia』です。この企画は日本のPops史を語る上で欠かせない、それ以降の音楽を変えたであろうと思われるアルバムをピックアップして、その収録曲の全曲を本人のパフォーマンスやベストアーティストの解釈によりお送りする夢のようなショーです。
今回の『Café Bohemia』がリリースされた1986年当時、僕自身は佐野さんとは出会っていませんでしたが、アルバム毎に実験、冒険を繰り返している彼からとても刺激を受けていた事を思い出します。このアルバムは世界的な音楽的傾向を取り入れつつ、常に問題意識をメッセージとして発信している佐野元春が、それまで以上に、のびのびとパフォーマンスしている作品だと感じています。特にこのアルバムでは、バックバンドであったHEARTLANDが演奏を担当しており、彼らが敬愛するソウルミュージック、R&B、ロックンロールなど多彩なサウンドが楽しめ、佐野元春をボーカリストとしたバンドの作品の様な仕上がりです。今回このショーのバッキングを努めるのは、佐野元春の盟友でもあるTHE HOBO KING BAND。佐野元春に影響を受け、リスペクトしている音楽のジャンルや世代を越えたアーティストが集い、一夜限りの奇跡のセッションが行われます。“Café Bohemia”という架空の空間が渋谷に姿を現すのを楽しみにしています。

武部聡志

About

日 時 2020年2月8日(土)
開場17:15 / 開演18:00
会 場
チケット Sold Out!!
SS席 12,000円
S席 9,000円
学生席 5,000円
(全席指定・税込)
問い合わせ DISK GARAGE 050-5533-0888
(平日12:00~19:00)

※未就学児のご入場はご遠慮ください。
※やむを得ない事情により出演者が変更になる場合がございます。予めご了承ください。
※本公演は収録カメラが入る可能性があります。
※車椅子をご利用の方は、事前にお知らせください。座席の振替を対応させて頂く場合がございます。

Ticket

1/11(土)10:00〜 一般発売開始!

ライブレポート公開中

 中央フリーウェイの調布インターを降りてすぐにある、武蔵野の森総合スポーツプラザが、第一回となる「SONGS & FRIENDS」の舞台だ。
 そもそもこのイベントは、音楽プロデューサーの武部聡志が「100年後も聴き続けてほしい日本の名盤・名作」を介して行う音楽によるコミュニケーションを目指した、まったく新しい形のイベントだ。アワード形式でもなく、単なるオムニバスでもない、世代の異なるアーティストたちが、1枚のアルバムの元に集い、そこに収録されている曲を思い思いのスタイルで表現し、さらにアルバムを作った当時のオリジネーターたちがパフォーマンスする。いままでありそうでなかったこの形式を名付けるとするなら、それはもう「SONGS & FRIENDS」というしかない。

 記念すべき第一回目のアルバムは、いまから45年前の1973年11月20日に発表された荒井由実の1stアルバム『ひこうき雲』だ。45年経った今でも色褪せることのないユーミンの1枚目は、多くのアーティストに影響を与え続けている。武部聡志もその一人だ。武部はこの作品をきっかけにプロのミュージシャン、とくにアレンジャーを目指し、学生時代よりムッシュかまやつのバンドで活躍するなど早くから頭角を表した。そして何を隠そう、『ひこうき雲』の前年の1972年にリリースした荒井由実のデビューシングル「返事はいらない」のプロデューサーがムッシュかまやつだったという縁に加え、ユーミンの「BROWN’S HOTEL TOUR」から現在まですべてのツアーに参加しているというふたりの関係値を考えても、「SONGS & FRIENDS」の産声としてこれ以上最適な作品は他にない。

 発表と同時にチケットがソールドアウトとなったほどの注目を集めたこのイベント、会場には8000人以上の観客が詰めかけ、幕が上がるのを待っていた。客電が落ち、拍手とともに迎えられたのは、今夜のナビゲーターを務める中井美穂だ。「音楽は時間を運んでくれる」と、まるでメロディーのような心地よい語り口で別世界へと誘ってくれた。武部を呼び込み、アルバム『ひこうき雲』にまつわるトークを繰り広げた後、いよいよ一人目のゲストミュージシャン、原田知世が登場、『ひこうき雲』に収録されている「雨の街を」からライブは始まった。

 とかくコンサートの1曲目は勢いのある曲がラインナップされることが定石だが、しっとりとした雨に濡れる街並みが目の前に浮かぶ「雨の街を」から始まるというのも、「SONGS & FRIENDS」ならでは。原田の透明感のある歌声が、オーディエンスひとりひとりの思い出を連れて旅をしているような不思議な感覚だ。「ダンデライオン」を歌い終わった原田に、「ユーミンが今一番お気に入りのバンド」と紹介されてSuchmosのYONCEが登場した。スカっぽい裏打ちのリズムが軽快なアレンジの「返事はいらない」の解釈が面白い。アルバムに収録されているオリジナルもラテンのリズムをフィーチャーしている斬新な曲で、45年の時間の隔たりが嘘のように音楽で繋がっていく感動を目の前で見せてもらった。YONCEの母がユーミンの大ファンで、小さい頃から繰り返し聴いていたということで、この日会場にいるお母さんに「母がいなかったらこの場には立てていなかった。感謝を込めて」と語り、「Hello, my friend」を歌った。
 スチールギターの浮遊感のあるサウンドが特徴的な「紙ヒコーキ」を家入レオは全身で音楽を楽しむように真っ直ぐ表現した。そこが若さであり、今の彼女にしかできないオリジナリティーだ。もし、45年後に彼女が「紙ヒコーキ」を歌ったら? そんな想像を楽しめるのも音楽の素晴らしさだ。13歳で曲を書き始め、17歳でデビューしたという、ユーミンと似た音楽キャリアを歩む彼女のこれからが本当に楽しみだ。つづいて披露した「卒業写真」のアレンジもこの日限りというスペシャルなものだった。
  CRAZY KEN BANDの横山剣の歌う「ベルベット・イースター」は圧巻だった。我々の知っている少女の見ていた風景から一変、大人の男が哀愁たっぷりに歌い上げる曇天模様の日曜日に、ユーミンの歌の持つ懐の深さを改めて感じた。「雨のステイション」では、後半に語りを入れる横山剣ワールド全開のステージに会場は大いに湧いた。
 ダンディズムのあとは女の色気。ユーミン・フリークで知られるJUJUがチョイスしたのは「きっと言える」。転調を繰り返すメロディーは、『ひこうき雲』の中でも難易度の高い曲だ。しかしそこはやはりJUJU、大人の女性にまとわりついてしまった憂鬱さや諦めをほんの少しブレンドして、彼女の「きっと言える」にしていた。つづく「曇り空」のバックコーラス、本来であれば松任谷正隆が担っている歌声を務めたのは、なんと久保田利伸だった。JUJUと久保田利伸、とても豪華な組み合わせが、バックコーラスで終わるはずもなく、レベルの高いボーカリスト同士のコラボレーションへと自然発生していった。ついでに言うと、二人が歌う「曇り空」はニューヨークのそれでしかなかった。
 ゲストミュージシャンによる第一部を締めくくる曲は、最初に戻って「雨の街を」。原田知世がふたたび登場し、久保田とデュエット。この、1曲目に戻る演出が、解けない音楽の魔法の力を信じ込ませてくれるようで粋だ。
 一部の終了とともに紗幕が降りて、その前でナビゲーターの中井美穂と武部聡志が音楽談義に花を咲かせた。武部が青春時代に夢中になったプログレッシヴ・ロックの話についていく中井がたのもしい。

 さて、メインディッシュとも言える第二部の幕が開き、登場したのは、荒井由実&ティン・パン・アレー(細野晴臣・B、鈴木茂・G、松任谷正隆・Key、林立夫・Dr)。そこにアディショナル・キーボードとして武部聡志が参加したスペシャル編成。居並ぶ伝説のミュージシャンたちの神々しさがすごい。「ベルベット・イースター」「そのまま」「返事はいらない」とライブは進んで行く。いまだにオリジナルメンバーでの生演奏が体感できていることが信じられないとでもいったような、あるいは、もう二度とないかもしれない貴重な機会を1秒でも無駄にしないでおこうとでもいったような、会場のテンションがありったけの集中力で音楽を求めている。そしてそこに響く音は、オリジナルの再現ではなく、45年後の荒井由実とティン・パン・アレーの生々しすぎるほど正直な音だった。そのことに震えが来るほどの感動をおぼえた。同じステージで演奏を共有している武部聡志はいったいどんな気持ちだったのだろう。たぶんこの時ばかりは、プロデューサーとかアレンジャーといった肩書きに関係なく、ただの音楽好きだったに違いない。そしてそれは、8000人のオーディエンス、このイベントに携わった全スタッフも同じだったろう。最高の音楽の元に人々は平等だ--そんなことを言えば大げさに思われるかもしれないが、それは45年前も、そのもっと前も、そしてこれからずっと先も変わらない本当だ。
 ユーミンからややもったいぶったスペシャル・ゲストの紹介があり、次に彼女が口にした名前に会場が揺れた。
 「井上陽水」--。
 これまでありそうでなかったユーミンと井上陽水の初めてのコラボレーションが実現したのだ。しかも、陽水がアレンジした「空と海の輝きに向けて」という信じられないような贅沢さ。どこまでも深く、広い世界を潜っては浮かび上がり、音楽の内部にそっと包まれたような歌声と演奏は、確実に何かを生んでいた。曲が誕生するというのはこういう瞬間なのかもしれないと思った。そして、アルバム『ひこうき雲』に入っていたユーミンの詩「誕生日」を思い出した。あの時、20歳の扉を開けた少女が今目の前にいて、「今日のわたしは 今日のわたしがいちばん好き」と、今日も言っている奇跡。
 二部を締めくくる曲は、「ひこうき雲」。ユーミンのピアノのイントロが響いた瞬間、すべてが揺らいで永遠になった。
 ティン・パン・アレーを送り出した後、ステージ中央でユーミンと武部聡志が軽くトーク。「伝説を見ましたね」と、武部が観客に語りかければ、「やりながら、これが見納めになったらヤダなあって(笑)」というユーミンの冗談に笑い声が溢れた。

 第三部は、ユーミンとゲストミュージシャンが代わる代わる登場して歌う、題して“その後の荒井由実”。「リフレインが叫んでいる」(with JUJU)、「時をかける少女」(with 原田知世&JUJU)、「COBALT HOUR」(with 横山剣)、「中央フリーウェイ」(with 久保田利伸)、そして最後は、ユーミン with オールゲストで「恋のスーパーパラシューター」。途中の間奏で、ゲストミュージシャンが軽妙なやりとりを交え、ユーミンにあれこれ質問をしていくという演出があり、恋に関する質問の答えをユーミンが歌詞を歌うことではぐらかそうとする場面が秀逸だった。これぞ土曜の夜という華やかさで、ショーを締めくくった。
 アンコールは1曲だけ。ユーミンのボーカルと武部聡志のピアノで「やさしさに包まれたなら」を披露。曲が終わり、アナログレコードの針がプツプツと溝の音を拾うような独特の余韻を持った静寂が会場を包み込み、やがて沸き起こった大きな拍手にそれがかき消されると、大きな満足感が身体中に満ちているのを感じた。

 次はどんなレコードの上に針が置かれるだろうか。
 1曲目のイントロがかかるのを楽しみに待ちたい。

文:谷岡正浩
2018年3月17日

主 催 : WOWOW/キョードー東京/ワイズコネクション/産経新聞社/ぴあ

制 作 : WOWOW/ハーフトーンミュージック/ワイズコネクション

協 力 : M's Factory / Sony music solutions

提 供 : ソニー・ミュージックダイレクト

特別協賛
新日本製薬